あわただしい中で,やっとのことで患者さんの家族に連絡をとり,
話を聞いていたところ,実はこの患者さんが免疫不全症候群(AIDS)で
内服加療中だったということが判明しました.
手袋をせずに患者さんに接触していたスタッフは,
みんな「えーー!!!」と衝撃を受け,しばらく立ち直ることができず….
うっかり患者さんの血液を触ってしまった人もいて,
感染率は低いとはいえ,手をよくよく洗っていました.
この患者さんは見た目には健康そうでしたが,
それでもどんな病気を抱えているか,分からないものです.
これを読んでいるみなさんも,実習で患者さんに接触するときには
必ず!感染の標準予防策は忘れないでくださいね!
【9月×日】
国試で“血球貪食症候群”というと,私にとっては
マクロファージが血球を食べている病理像が載っていて,
“血球貪食症候群”という診断名が選択できればまあOKかな,
というくらいの「点取り疾患」でした.
しかし,臨床で血球貪食症候群に遭遇したときは,
疾患の重症度によっては生死に関わる,とても大事な疾患です.
私がこのとき体験した血球貪食症候群の患者さんは,
最初は単なる感冒様症状で耳鼻科にかかっていたんですが,
あっという間にICU管理になり,
尿が出なくなり,
透析でも助けられず,
1週間ほどで亡くなってしまいました.
マクロファージがどんどん血球を食べてしまうために
汎血球減少が進み,多臓器不全によって死に至ったのです.
国試の「点取り問題」としか思っていなかった疾患が
生死を左右する状況を目の当たりにして,衝撃を受けた症例でした.
(研修医 Y)
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